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英語学習と、ミステリと、その他もろもろ。

ポリコレ議論が盛んなので、最高に不謹慎な英国ドラマを紹介する

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米国大統領選でまさかのトランプ大勝利という結果に、はてな界隈はポリコレ(ポリティカル・コレクトネス, PC)議論で盛り上がっていますね。ポリコレに関してはアメリカに住む人々の心境や現地の空気は分からないので、いろんな方々の発信した情報を読んで、「はー」「へー」と思うばかりです。

私の脳内にある「アメリカのPC知識」と言えば、村上春樹氏が1991〜92年にアメリカに住んでいた時のことを書いたエッセイ『やがて哀しき外国語』。ふと思い出したので読み返してみました。

彼が滞在したのはアメリカ東部のニュージャージー州・プリンストン。プリンストン大学で客員講師として2年半過ごしました。インテリの集まるスノッブな大学村では「新聞はNYタイムズ、ビールは外国製、女性は家庭外での職業や役割をもっていて当然」という絶対的な「コレクトネス」が存在していたそうです。

そのことに関して、村上氏は「後日附記」という形で以下のように記しています。

アメリカという国では「概念」というものが一度確立されると、それがどんどん大きく強くなっていって、理想主義的(and/or)、排他的になる傾向があるようだ。よく「自然が芸術を模倣する」と言われるが、ここでは「人間が概念を模倣する」ケースが多いみたいな気がする。この概念をイエス・ノオ、イエス・ノオでどこまでも熱心にシリアスに追求していくと、たとえば動物愛護を唱える人が食肉工場を襲撃して営業妨害したり、堕胎反対論者が堕胎手術をする医者を銃で撃ったりするような、まともな頭で考えるとちょっと信じられないようなファナティックなことがおこる。本人は至極真面目なんだろうけど。

おそらく人種的にも宗教的にもいろんなオリジンの人が集まってできた国なので、共通概念というものが共通言語と同じような大きな価値を持っているからではないかと僕は想像する。それが樽をまとめるたがのような役割を果たしているのだろう。でも正直に言って、ときどき話していて退屈することがある。高校のときのホームルームでまじめな学級委員の女の子に「ムラカミくんの考え方はちょっとおかしいです」と追及されているような気分になる。そういうことを言われると、「しょーがねえだろう、生まれつきおかしいんだから。でもそういうお前の顔だって相当おかしいぜ」と開き直りたくなってくる。そんなこともちろん言わないけれど。

(引用元:村上春樹 『やがて哀しき外国語 (講談社文庫)』 文庫版 pp.164-5)

この内容は25年前の超保守的な地域の超保守的なコミュニティについて。だけど、今回のアメリカ大統領選でのポリコレ議論を見ていると、学級委員の女の子に対する「しょーがねえだろう、生まれつきおかしいんだから。でもそういうお前の顔だって相当おかしいぜ」というセリフが白人労働者階級の胸の内のように思えてきます。「そんなこともちろん言わないけれど」という建前(というか社会性)を持ってる人たちが隠れトランプ支持層だったのかな。

 

最高に不謹慎な英国ドラマ!

と真面目(?)な話はここで終わり。

さて、今回はタイトル通り、ポリコレ無視の超不謹慎なイギリス・ドラマを紹介します!

その名は、

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(画像引用:Mind Your Language - Wikipedia

"Mind Your Language" 訳すと「自分の言葉に気をつけて」とか「自分の言葉を気にしろよ」という感じでしょうか。

1977年から放送されていたイギリスのテレビ番組。毎回同じセットでコメディ・ショウが展開する、いわゆるシット・コムというやつです。

舞台はロンドンの英語学校で、いろんな国の人が英語を学びに来ています。

笑いのネタは、それぞれの国のステレオタイプ的なキャラクターと、彼らの話すステレオタイプ的な英語!

今ではこんな番組は絶対に作れません。本当に偏見だらけで、その偏見をジョークにしているんだから。

 

…でもね、面白いんです。

 

当時のイギリス人が、どの国の人間にどのようなステレオタイプをもっていたか、文化的な資料として興味深い!

 

というのは建前で、私は単純にコメディとして楽しんでいます。そういうのがお好きな方は是非ご覧ください。日本人の生徒も出てきますよ。

ちなみに日本語字幕はなく、英語字幕も音声の書き起こしなので、外国語なまりの英語ばかりのこのドラマでは全く役立たずです。

英語の聞き取りが得意な方は是非最初から、あまり得意でない方や時間がない方は、6:10秒あたりからの簡単な状況説明を以下に書いていますのでそちらを見ながらご覧ください。

www.youtube.com

6:10くらいから約9分それぞれのキャラクターの自己紹介の場面となります。

1. マックス(ギリシャ人)

ブラウン先生に「仕事は?」と聞かれ、"I walk with sheeps."(羊と散歩)と答えます。「え、羊を散歩させる?羊飼い?」と先生は困惑しますが、"I work with ships."(船関係の仕事)ということが判明します。

2. アンナ(ドイツ人)

ドイツという国の"efficiency"(効率性・能率性)について、日本人のナガズマさんから日本の方がefficientだと口を挟まれます。

3. ジョバンニ(イタリア人)

大きなジェスチャーとクルンクルンの天パでもろラテン系。職業を「ウェイター?」と聞かれ「クックダ」を連呼。cookのイタリア語なのかな?

4. ジャミラ(インド人)

一切英語を使わないので先生もたじたじ。彼女はこの後のエピソードも全然英語を学びません(笑)。

5. アリ(パキスタン人)

この番組のキー・キャラクターです。中東系の人に特徴的なRの巻き舌発音と、"Yes, please." と"Blimey!"が口癖。ちなみにBlimey(ブライミー)はイギリス英語で、"Wow!"的な間投詞。ハリー・ポッターでハリーの親友のロンがよく使っています。無職で職安に通っているが、仕事していたときより無職の今の方が手当が多い、と喜んでいます。イギリスの社会保障問題の根深さがうかがえる一幕。

6. ランジート(インド人)

彼もRの巻き舌で中東の独特なイントネーション。シーク教の彼は、ムスリムのアリといつも喧嘩しています。職業はUnderground(地下組織)のメンバーだと言って、一瞬不穏な空気になりますが、"Mind the gap.”(電車と通路の溝にお気をつけください)というセリフで、一同はロンドンの地下鉄(通称Underground)のスタッフだということが分かる。

7. ナガズミ(日本人)

説明不要でしょう。

8. ホアン(スペイン人)

「ペルファボーレ」。

 

ここで校長が生徒を連れてきます。

 

9. ダニエル(フランス人)

クラスのマドンナ。校長は自分の経験から、こういう場で問題が起こるのは人種や宗教ではなくsex(性)だと強調しています。

 

他のエピソードでは共産主義を崇拝する個性の強い中国人の女の子が出てきます。

 

以上、簡単な説明でした。いつか訳したいなぁ。

とにかく登場人物のキャラが濃くて、どのエピソードも楽しめます。いろんな国の英語の特徴も分かり、英語学習としてもいい!Youtubeに多くのエピソードがアップされているので、こういうのがお好きな方は是非。

【追記】DVDをイギリスから取り寄せてみたので記事にしました↓。

www.sarubobox.com

 

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